●　下腿　皮膚欠損創
普通でも治癒しにくい部位の皮膚欠損創に加え、SLEで免疫抑制剤を飲んでいるという悪条件が重なった症例です。手術はどうしても避けたいという希望で湿潤療法を続けました。途中で感染兆候となった時期もありましたが、強い痛みもなく平穏な状態で経過しました。最終的に約半年を要しましたが、みごと上皮化が完了しました。

●　下腿　熱傷
植皮の手術になってもおかしくない大きさの熱傷です。湿潤療法を希望されて来院されました。治癒に長期間かかる可能性、途中で感染が生じる危険性も説明し、治療を進めていきました。下肢の運動制限をしなくても上皮化は問題なく進行しますし、機能障害につながる瘢痕を形成する事もありません。

●　乳児　手背熱傷
他院でガーゼ処置を受けていた時期がありましたが、比較的早期から当クリニックを受診して頂けました。熱傷の深度が深いと思われる部位は瘢痕形成していますが、手指の運動障害は生じていません。瘢痕は時間経過とともに薄くなり、色調もおちついてきています。

●　上腕～前腕　広範囲熱傷
偶然、受傷直後から当クリニックを受診して頂けました。ガーゼや軟膏の治療期間が無いのは治療に有利です。

●　母指の皮膚欠損
指を強くはさみ受傷しています。この症例も皮弁の手術となってもおかしくないですが、湿潤療法で良好に治癒しました。

●　花火による顔面熱傷 １歳児
お母さんが夏井睦先生にインターネットで相談した結果、当クリニックでの治療を選択した患者さんです。処置の難しい部位で苦労もありましたが、湿潤療法できれいに治癒が進行しています。

●　スライサーによる母指指尖損傷
他院で手術を受けていましたが、処置の痛みがつらく、当クリニックを受診しています。欠損部分が広範囲で、通常、植皮や皮弁が考慮されると思いますが、湿潤療法できれいに治癒しました。治療中の痛みも無いため、関節可動域も良好に回復します。